山梨日日新聞 『時標』より

   


コロナに学び「脱プラ」を推進   理事長 永井寛子
 
   
7月1日から、全国一斉にレジ袋の有料化が始まりました。プラスチックごみによる海洋汚染の問題、地球温暖化などの課題に対し、プラスチックの過剰な使用を抑制することを目的としています。実は山梨県は、全国的にも最も早い時期(2008年)にスーパーのレジ袋の有料化を実施した先進県としてよく知られています。ですから、スーパーへのマイバッグ持参は、市民にとっては当然のごとく習慣化されています。ところが、スーパー以外のコンビニ・ドラッグストア・その他小売店となると、マイバッグを利用している人はほとんど見かけません。今般のレジ袋の有料化は、スーパーを含む小売業を営む全ての事業者が対象となります。山梨県においてもマイバッグ持参の呼びかけは改めて徹底していかなければならない課題といえるでしょう。
   
「プラスチックごみの削減」を目指して始まったレジ袋の有料化の一方で、これに逆行する動きも起きています。新型コロナウイルスの影響で、外出自粛や飲食店の営業自粛が続き、テイクアウトやデリバリーを利用する人が多くなったため、使い捨てのプラスチック容器のごみ排出量が各地で急増しているのです。今は非常時なので一時的なごみの増加はやむを得ない、としながらも、これが常態化するのは避けなければなりません。
 
実は、テイクアウト用のプラスチック容器を削減する取り組みは、一部の自治体ですでに始まっています。京都府亀岡市では、市民の発案に応え、食器持参者には「プラごみゼロクーポン」を提供する新事業を立ち上げました。先日亀岡市の関係者のお一人に、その後の様子を伺ったところ、「クーポンが市民の間にだいぶ浸透しているので、次の段階を考えている」との返事が返ってきました。亀岡市と言えば、レジ袋の無料提供を禁止する全国初となる条例が3月に市議会で可決、成立したことで知られています。テイクアウト用の容器について、次の一手は何なのか、しばらくは亀岡市から目が離せません。
  
1999年、増穂町(現・富士川町)の女性たちが地域活性化を目指して活動拠点「スペースふう」を立ち上げてから20年以上が経ちました。町の祭のごみの多さに胸を痛めた彼女たちが、イベントでの使い捨て食器に替わるリユース食器(洗って何度でも使える食器)を貸し出す新たなビジネスモデルを構築したのが2003年。これが経済産業省の第1回「環境コミュニティ・ビジネスのモデル事業」に選ばれ、山梨の小さな町の女性たちの発した「リユース食器で日本中のイベント風景を変えたい!」という声はこれを機に全国に広がっていくことになりました。
  
そして今年。突然の新型コロナウイルスの襲来です。イベントがすべて中止になり、スペースふうは開店休業状態となりました。その直前には、老朽化した食器洗浄機を買い替えるために、身分不相応の大口の借金をしたばかりでした。今、月々の返済金に追われながら、スペースふうはこの20年間で最大のピンチを迎えています。本気でNPO解散・廃業も考えました。しかし、話し合えば合うほどスペースふうを何としても残さねばという思いが私たちのなかで強くなるのです。リユース食器を必要とする社会の要請に応えるためにも、コロナを経験した学び・気づきを生かしながら、コロナの向こうにある新しい「脱 使い捨てプラスチック社会」を目指して確かな歩みを進めます。
   
「リユース食器の灯を消すな!」という多くの声に支えられ、スペースふうは今、クラウドファンディングの準備に入りました。
   

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当記事は2020年7月5日(日)
山梨日日新聞「時標」に掲載したものです。
スペースふうサイトでの掲載は山梨日日新聞の許諾済みです。
 
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